読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

永遠の卵

少女革命ウテナのはなしがしたい。

DUEL:27「七実の卵」

 

卵はふつう食べるものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:27「七実の卵」

放送日:1997年10月1日

脚本:比賀昇 絵コンテ:錦織博
演出:伊達勇登 作画監督:田中孝弘・中山由美

 

伝説の七実さまギャグエピソード。七実が卵を産むお話です。文字通り、七実が卵を産むお話。完全なるギャグとして七実のクレイジーさを楽しむことのできるお話でもありますが、彼女のキャラクターに関して深く考えるという意味でも楽しい回です。

 

砂場でみつけたわたしの〇〇。

今回は、七実の幼い頃の回想(夢)からはじまります。七実は砂場で"卵"を見つけるのですが、これがたいへん思わせぶりな場面。だって砂場からなんか変なもん出てきたらまず近しい人に見せに行ったりしませんか。特に七実なんて、だいすきなお兄さまに真っ先に報告しそうなのに。しかしそんな彼女は、その「変なもん」をとっさに隠します。この砂場から出てきたものは、ほんとうにただの卵なのか。卵とはいったいなんなのか。。

 

彼女の卵。

今日の3時間めの体育は、女子だけ保健体育に切り替わったそうです。

そういった疑問は、石蕗のこの言葉で思いの外簡単に解明されてしまいます。卵というのはそのまんま(?)、生理(月経ね)、出産などのことと受け取っていいみたいです。 

第2部の黒薔薇編からわりと強調されてきたのですが、とりわけ七実という人物には"性"の話がつきものだなと思います。それは単純に下ネタ、っていうことでもあるし、真面目に"性"の話でもあるのですけど。ウテナ全体のテーマとして"子供から大人へ"っていうのはほぼ一番か二番に挙げられるものだと思うのですが、3部の暁生編からはそれが更に色濃くなっていきます。そしてこの先のDUEL:31.32に向けても、この七実が"卵"をどう位置付けているかってのが重要なんだよね。まあ特に大した意味もないでしょ、って言われちゃったらそこまでなんですけど。。

 

七実さまってば宇宙人。

 てるてる坊主の七実さま〜

このへんの笑いどころについてはもう言及するまでもないと思うのですが、やっぱりコサックダンス石蕗がいちばんおもしろいかな。お気に入りはクルクルミッキーだけど。。。ちなみに、幹に相談するまで七実は「卵を産んじゃうこと=おかしいこと」だと認識しているのですが、どうやら卵を産んじゃう女の子もいる(ちがう)と知ると、逆に知らなかったことを恥だと考えるようになるわけですね。

これはなんていうか生理あるあるで、同級生の女の子たちよりも生理がはやく来ちゃうのも恥ずかしいし、遅すぎるのも不安だし恥ずかしい。生理に限らずこういう話って誰彼かまわずできるものでもないですからね。

 

タマに傷がつくところだ。

で...でかい。

樹璃がいうとそれはまたちょっと違った性の話になってしまうのですが。。まあこれも無関係じゃないです。

悩むことなんてなかったんだわ。
卵なんて誰でも産んでるんだから。

こうやって安心させてくれる人が身近にいたらすこしは違うのかもしれない。でも七実の場合そうともいえないから卵を隠すんだと思うのです。

 

七実の様子がおかしい。

じゃあわたくしが時速300キロで走れっていったら走るのね?
わたくしがマッハ5で飛べっていったら飛ぶのね?
わたくしが海底一万メートルに潜れっていったら潜るのね?

 これ七実さま理不尽だな〜って見るところかもしれないけど、わたし的には超共感できるイライラ。おまえは何もわかってねえのにわかった面してんじゃねえよっていうね。

  • ひょっとしてマタニティーブルーだったりして。
  • まるで卵を産んだときみたいですね。
  • ペットの七実(ニワトリ)
  • ニワトリといっしょにされたら七実だって迷惑だよ。
  • でも、父親は誰なんでしょう。

 意味不明すぎるので箇条書きにしてまとめました。七実の様子というより、このひとたちの会話がおかしい。ふたりのいわゆるズレってやつが反対方向に向かって凸凹なので結果うまく合致しちゃってるみたいな。そもそもそのマタニティーブルーっていう発想がどこから出てくるのかぜんぜんわからん。おかしなアンシーに突っ込むウテナに見せかけて、おまえもそこそこよくわからんよ。

 

彼女の罪。

七実、なぜこうやって日々を楽しく過ごせるかわかるか?
...それはお前が卵を産むような女の子じゃないからだ。
かわいそうなのは、その女の子に裏切られた家族の方だ。

これが冒頭とつながってくるというわけ。体が子供から大人に向かっていくこと、性的なことに興味関心を持つこと、または誰かを性的な対象として見ることに、なぜか罪悪感を感じる、感じなきゃいけない世界のムードってあるとおもうんですが、七実は無自覚でもそのことに敏感なタイプなのだとおもう。そしていちばん身近な、崇拝する存在にこんなことを言われちゃね。そりゃ卵だろうとタマだろうと隠すほかないでしょう。そしてそれゆえに性的なことに関する忌避感みたいのはどんどん高まってゆく。

 

影絵少女

卵じゃなかったようです。

未知に対する興味と恐怖。知ってしまえばなんてことはないものかもしれないけど、でもその恐怖だってほんものだしね。あんまり放置していると一人でに暴走しはじめちゃうのかも。

 

ふたりのベッドルーム。

ウテナさまは生まれ変わりを信じますか。

親から子へと永遠に受け継がれていく心の橋渡し。それは生まれ変わりでもあり、もしくはもうひとりの自分でもある。ゾウは寿命がくると群れを離れて人知れず死んでゆくそうです。

どうしてそんな話をするの?

 

得体のしれないわたしの〇〇。

七実にとって卵とは未知への恐怖でもありながら、大切にすべきじぶんの分身のようなものでもあります。それは時に暴走したり、巨大になりすぎたり。。卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでゆく。七実が殻をやぶったその先にあるものとは。

 

おかえり。

そういや最近見かけないな。

初代チュチュから受け継がれてきた永遠の橋渡し。さよならチュチュ。こんにちはチュチュ。

 

 

LA BANDE

焦げてる。

親という存在が希薄な鳳学園という世界において、この回はちょっと特殊でおもしろいお話でした。次回は樹璃回。憂鬱。

 

DUEL:26「幹の巣箱(光さす庭・アレンジ)」

 

ティーカップ、割れちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:26「幹の巣箱(光さす庭・アレンジ)」

放送日:1997年9月24日

脚本:榎戸洋司 絵コンテ:松本淳
演出:岡崎幸男 作画監督林明美

 

幹と梢最後のエピソード。絵がきれい。

 

 

金のガチョウ

金のガチョウは金の卵をうむから価値があるんだ。

ウテナが産む卵はどんなに素晴らしくとも暁生の役には立ちませんので、価値はないということなのでしょうか。彼の求めるものとは、ウテナがディオスの剣とその力によって勝ち続けることなんですよね。それを自らの剣でやってしまったら意味がないと。それにしてもやっぱりウテナさまも卵をうんでる。。?ウテナさまったら宇宙人。。?

 

 

親鳥と雛とその巣箱

さて今回の本筋は幹と梢です。 

親なんかいらないわ。

という割には、自分が危険な目に遭っても小鳥たちを助けようとした梢。このふたりは両親とは暮らしていないみたいですね。どうやらお母さんの方が先に家を出た感じなのかな?くわしくはわからないのですが。

 

 

思い出の庭

ウテナとアンシーの会話がおもしろいです。アンシーにとって"思い出"はいつか荒れてしまうもの。そして彼女はそれを知ってるのですよね。でも、ウテナにとっては思い出はたぶん美しいもので、守るべきもので、大切なもの。この時ウテナがなんと言ったのかはわからずじまいなのですが、ただわかるのは、今回のことで、幹と梢はもう昔のようには絶対ぜったい戻れないってこと。

 

 

ふたりのベッドルーム。

 お兄さまは、そうですね。たしかに大人かもしれません。
わたしの親代わりですから。

そしてここにも戻れなくちゃった兄妹がふたり。 親が子供のことをいつも想っているのは、兄が妹の世話をし、妹が兄を慕うのは、ほんとうに遺伝子のせいなのでしょうか?そうだとしたら、この世の中にある友情ってものに説明がつきません。

 

 

生徒会(椅子)

君たちのためにとかいう大人は、たいてい信用できないもんです。

"世界の果て"が信用できない幹は、ストップウォッチをおろします。世界における"役割"を幹が果たさないということは、彼が世界を革命する、または"世界の果て"に近づいていることの前触れです。

ここでは、前回の西園寺と同様に、大人を信用しない"子供"、大人に反抗する"子供"がわかりやすく描かれます。 そして"世界の果て"を知ることで彼らは"大人"になる。っていうのがこの第3部のおおまかな流れです。そうすることで、"世界の果て"をまだ知らない、卵もうまないウテナをさっさとやっつけてしまおうという企みですね。

自分勝手な大人に利用されるくらいなら、僕はもう決闘はしない。

ところで七実さまのいう"あしながおじさん"っていうのはこれまたおもしろい表現だなっておもいます。ひとりの女の子に目をかけて"支援"するジョン・スミス。ほとんど会ったことのない彼だけを頼りに生きる(生かされる?)生徒会メンバーたち。果たしてはその正体は。。まあ『ウテナ』でいう"おじさん"は、手紙をもらう側ではなく、送る側ですけれどね。嫉妬してアンシーの行動を制限しようとするなど、"世界の果て"にはどことなく"あしながおじさん"に共通する部分がみうけられます。

 

 

車とハイウェイ、世界の果て。

薫幹の果て。

親鳥としての役割、生徒会メンバーとしての役割。王子さま、そして薔薇の花嫁としての役割。幹はその"役割"と、それを与える"世界の果て"に不信感を抱きます。そのことが、"役割"をまっとうするアンシーによって強調される。

行き詰まったか。

しかし役割を捨てたヒヨコはどうすればいいのか。いくら歩いてもその先にあるのは壁。役割以外に何も持たなかったその小さな体では、大きな壁はぶち壊せません。でもそれは"車"でだって同じこと。眩い車のライトと怪しげな音楽に踊らされて、酔わされているだけのことです。

 

薫梢の果て。

人と待ち合わせしてるの。

梢は幹より一足先に"あしながおじさん"の正体を知ってしまったようです。恵まれない子供を助けてくれる神さま、子供には知りえないことを教えてくれる大人、"世界の果て"に連れて行ってくれる男。ただのダボハゼなんですけどね。

周りが全部汚れてたら、自分も汚れるしかないじゃない。
自分も汚れて、欲しいものを手にいれるしかないのよ。

幹の欲しいものは、自分が運転する車の助手席に座るアンシー。ただのアンシーじゃなくてね。自分が支配できるもの。じゃあ梢が"世界の果て"を知ることで手に入れた"欲しいもの"っていったいなんだったのだろう。汚れることで手に入るものって?そんなの、ほんとはないんですよ。汚れることしかなくなったダボハゼの、精一杯の言い訳なんだよ。

 

戻ってくるかねえ、親鳥たち。

地雷を踏むウテナさま。

 

 

影絵少女

いいカモだよな。

欲望を嫌う子供。そそのかす大人。壁にぶちあたったヒヨコはいいカモなんです。

試しに一回だけってすすめたのはあんただろ。

誰を責めたってもう戻れない。お金は大切に。

 

永遠を運ぶゴンドラ(決闘広場)

平俗宇宙に不滅の皇帝」。

 

いい?はじめるよ。

今回からは、決闘相手もひとりより、ふたりに。

 

だって、ミッキーはもっと、

"思い出"っていうのはもっと、。

もっと、...なんです?

切られてしまった木と、荒れ果てた庭。親鳥は戻らず、巣箱は空のまま。そこが何かで満たされることを願っていたのでは、幹だけではなかったはず。梢もウテナもアンシーも、そして"世界の果て"だって、それをいちばんに望んでいるのかもしれません。だって"思い出"なんてものはどんなに求めても、しょせん心の中でしか美しくあれないものだからです。

 

 

LA BANDE

いくじなし。

目玉焼き、だし巻き、温泉たまご。スクランブルエッグに、オムレツ。

卵の殻を破らねば、オムレツは作れない。

次回、伝説の初卵。

 

 

 

 

 

 

DUEL:25「ふたりの永遠黙示録」

 

おまえの言ってることはさっぱりわからん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:25「ふたりの永遠黙示録」

放送日:1997年9月17日

脚本:榎戸洋司 絵コンテ:風山十五
演出:金子伸吾
作画監督相澤昌弘・長谷川眞也・長濱博史

第3部・暁生編がはじまります。物語もいつの間にか半分を過ぎ、核心に触れる部分が多くなってきました。とりわけこの25話は、暁生編の導入としても、またウテナとアンシーの関係性という点においても、かなり重要な回といってよいでしょう。

 

あたらしいお部屋・理事長館

今回から、ウテナとアンシーはあのお化け屋敷の寮から出て、あらたなお部屋で暮らすことになりました。それが暁生の暮らす理事長館。なんか塔みたいなやつ。やたら広くてツルツルで高いとこにあってなんにもない、ちょっと奇妙なお部屋です。

予想外の展開。

今回のわたし的指差しポイントは、やっぱり暁生にとってなにか予想外のことが起き始めている、また彼がそのことに気づき始めたっていうところです。これまで、冬芽をはじめ御影・ウテナ・生徒会メンバーたちはどこか彼に操られ、利用されているかのような印象を受ける場面が多かったです。彼らは"世界の果て"を崇め、すべてのことは"世界の果て"の手中にあるといいうような。*1

ですが、本エピソードで、暁生は2度もこれまでとは違った心の動きを見せているように思います。ひとつめが、ウテナと若葉のやり取りに笑顔するアンシーをみた時。心の動きというか、アンシーの笑顔を快く思っていないのがありありとわかる暁生の表情をみて。いつもは気味が悪いほどににこやかな人なのにね。

そしてそのことが伏線となって、ふたつめ。決闘シーンです。ここで暁生は動揺をみせます。ディオスの剣が消えたことと、アンシーがウテナの胸から剣を抜いたことが原因です。ちょっと表情を硬くするくらいですが。冬芽もびっくりしてます。ラストシーンでは、

ディオスの剣が出現しなかった。

と、暗に暗シーを責め立てているような感がありますね。要するに、アンシーが自らの意志を持ち始めているということです。ウテナと心を通わせはじめている。そして、そのことを暁生はよく思っていません。"世界の果て"の意志とは外れたところで"世界"が動き始めていること(または世界がつくられたこと)に、彼は危機感を抱き始めているのです。

ところで細かいことなのですが、ディオスの剣は"消えた"のではなく、"出現しなかった"んだ。やっぱりそのオペラグラスじゃよく見えてないんじゃ。。

あともうひとつ余談、理事長室の"幕"が降りる演出っておもしろいな。黒薔薇編からあるんですけどね。あ、エレベーター音もまだちゃんと鳴ってるよ。

 

生徒会(リーリーリー)

御影の力添えによってやっと学園へと戻った西園寺ですが、もう決闘はしないそうです。

僕は世界の果ての部下になった覚えはない。
命令されて闘うのは、まっぴらごめんだ。

とのこと。そして新情報も入ってきたのでメモします。

  • 薔薇の門をくぐると、決闘広場への階段の中央にゴンドラが出現。
  • ゴンドラが生徒会メンバーらを新たなステージへと運ぶ。

ちなみに今回の演出は野球の試合。なかなか気合いが入ってるみたい。西園寺が捨て台詞を吐くのと同時にゲームセットで紙吹雪が舞うのがおもしろいです。そして去っていくのに合わせてメガホンが飛ぶ。

それにしても、世界の果てっていうのは、いったい何者なんだ。

 

プラネタリウム(理事長室) 

あの星ですよ。

これは黒薔薇編から継続のコーナー。さて今回の暁生さんからの有難いお話は、ご自身のお名前の由来について。暁の明星(金星)からとられたそうです。へー。そして別名:ルシファー。堕天使のことです。これは、冒頭で若葉が言った「天使の微笑み」と対になっていておもしろい。

そして、アンシーは知らぬ間にそこにいる。眼鏡が光るバージョンの彼女は、いつにも増して不可解です。怒ってる?んだとしたら、"どっち"に怒ってるんだろう。ウテナの肩を寄せる暁生?それとも赤くなっちゃうウテナ

日の沈まぬ限り、輝くことのできぬ星。
何を思って光輝くのか...。

それってまさかご自身のことじゃないですよね?自己陶酔も甚だしい。

 

ふたりのベッドルーム。

暁生編から新たにはじまる演出といえば、やっぱりウテナとアンシーのベッドルームの場面。わたしはこれが超だいすき。アンシーの髪がのびる!やはりアンシーは人ならざる存在!などと初見時ははしゃいでましたけど、アンシーはふだん髪の毛丸めてまとめてるだけなんだよね。ぜったい無理だと思うけどまあいいや。

話を戻して、今回のベッドルームの内容はこう。

  • 暁生は、"なにか大事なもの"を失くしたひと。
  • ウテナは暁生を"懐かしいひと”だとおもう。
  • アンシーはウテナを"懐かしいひと"だとおもう。

 というのがまずひとつ、とっても重要なこと。もうひとつ。

違うよ。うれしいんだ。
ねえ。もし君に何か困ったことがあったらまず僕に話してよ。なんでも助け合おうよ。君とはそういう友だちになりたいんだ。

ウテナ...すき...。はもちろんとして、ここでふたりの間にふわっと友情が芽生えている(のがわかる)ことが大切。そしてその言葉をきいたアンシーは、

わかりました。これからはあなたと助け合って生きていきます。

とかつて"誰か"と誓っている場面を回想します。これは、上記の"懐かしいひと"とも関連しているので指差しマーク。

ウテナさま。わたし、ほんとは...

DUEL:23でもそうでしたが、今後はふたりが"手をつなぐ"という演出も、非常に深い意味を持つことになります。

 

車とハイウェイ、世界の果て。 

君の魂が本当に諦めていなければ
世界を駆け巡るこの音が聞こえるはずだ。

さあ、我らとともに。
誘おう。君が望む世界へ。

暁生編のキーアイテムといえば、なんといっても。とそれが走るハイウェイ。そして向かう"世界の果て"。車や、それを運転するひとは"大人"の象徴。DUEL:4でも書きましたが、『少女革命ウテナ』に登場する人物は"大人"と"子供"に分けられる。24話まではずーっと、"子供"の話でした。そして"大人"というのは言うまでもなく暁生のことです。捉えようによってはアンシーもかな。ちなみに冬芽は、

だって、俺はまだ...

。ここから、物語には"大人"が大きく関わってくることになります。

 

西園寺莢一の果て。

DUEL:9で、ウテナとアンシー・冬芽と西園寺の対称性について書いたのですが、今回もそんな感じ。ウテナとアンシーが友情を深めつつあるのに対し、西園寺は、

友情なんてこの世界にはないさ。

本当は誰より友情を求めているのに冬芽を信頼しない(と言い張る)西園寺。そんな彼を白々しく"友人"などと呼ぶ冬芽。これぞわかりあわないふたり。 冬芽は西園寺の気持ちを知りながらも、だからこそ彼を利用しようとします。

あの女の子は暁生さんに永遠のものを見せられて救われたのさ。

柩の中の女の子に"永遠"を見せられなかったことを今でも悔やみ、"永遠"を求め続ける西園寺。この事実を知ったことで、西園寺にとって"大人"は、信用できない存在からいっきに憧れの存在へと上昇します。そして彼の"諦めていない"魂は、暁生によって"世界の果て"を見せつけられることになります。権力、欲望、絶望、享楽、虚無、幻想、エトセトラ。そういったものが幅をきかせる世の中。その現実に絶望し、"世界の果て"に忠実であること。さすれば望むものがいつか手に入ると信じ込まされる哀れな子供たち。彼らにとってはその"世界"は未知であり、さも魅惑的に思えますが、実のところそこにあるのはただの"永遠"。の苦しみ。

 

影絵少女

さてさて勇者さま。ふたりでやってく難しさ。
果たしてあなたはご存知かしら?

影絵少女A&Bが戻ってきました!のっけから肝心なことを言ってくれます。のっけだからか。今回から"ふたりでやってく"ことになります。その喜びと、難しさのはなし。

 

永遠を運ぶゴンドラ(決闘広場)

バーチャルスター発生学」。

決闘前シーンがリニューアル!。ほんとうにゴンドラができてよかった。あの螺旋階段を毎回昇るのはキツ過ぎました。ウテナがリップを塗るようになります。

 

僕はもうお前に負けた僕じゃない!
なぜなら俺は見たからだ。
...世界をだ。

 

やっぱ一人でやるより、

ウテナさま、いっしょに。

ウテナの剣が初登場。消えたアンシーの剣の代わりに、アンシーはウテナの胸から剣を取り出します。何度見ても最高じゃん。

 

ふたりよね。

気高き想いの薔薇よ。
お願い、示して。

気高き"城"の薔薇ではなく、気高き"想い"の薔薇。今回から、アンシーの中に封印された"ディオスの剣"ではなく、ウテナの気高き想いをベースにした剣によって、彼女は闘います。そしてそれを引き抜くのがアンシーであるという真実をみてください。つよい。

でも、車のライトをスポットに降りてくるディオスと、その力を甘受するウテナに変わりはありません。そしてそれこそが"難しさ"なんです。

 

大人のベッドシーン。

西園寺のやつ、せっかく友だちにしてやったのに。

冬芽が憧れる王子さま。ベッドの上で見下される友情と、芽生える友情。大人と子供。男なるものと女なるもの。つながれる手と離れる手。

友だちにはやさしくしてやれよ。

 

 

LA BANDE

遅いなあ。姫宮。

 

エンディングテーマも変わりました。今回はちょう盛りだくさんすぎて時間がかかっちゃった。次回は、

本当に仲のいい兄妹なんですね。

です。

 

 

*1:ちなみに"世界の果て"と"暁生"は必ずしもイコールではないとわたしは考えているのですが、このお話は長くなるのでまたいつか。

DUEL:24「七実様秘密日記」

 

怪我のほうは打ち身と深爪程度なんだけど、意識が戻らないの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:24「七実様秘密日記」

放送日:1997年9月10日

脚本:比賀昇 絵コンテ:松本淳
演出:高橋亨 作画監督:阿保孝雄

 

第2部・黒薔薇編(DUEL:14DUEL:23)のおまとめエピソード。と見せかけて七実さま(&石蕗)おまとめ回。根室記念館はみんなの心から消えてしまったため、振り返る過去すらもう存在しないのかも。

 

七実さま観察日記

DUEL:3「舞踏会の夜に」

そういえば、このとき水溶性ドレスをアンシーにプレゼントした黒幕は七実だということ、ウテナたちは知らなかったのですね。石蕗はそんなストイックな彼女の姿をパーティのテーブル下から見守っていました。

 

DUEL:8「カレーなるハイトリップ」

トラックがゾウに吹き飛ばされちゃったのは石蕗が原因だし、七実がバナナの皮ですってころりんしちゃうのも石蕗のせいでした。ゾウは海を超え空を超えどこまでも七実についてゆく。。?*1

ところでゾウさんっていうとやっぱりわたしはクレヨンしんちゃんを思い出してしまうのですが、なにか関係あったりしますか??中のひと〜

 

DUEL:4「光さす庭・プレリュード」

もう冗談じゃない!
あの時はわたくしの方が被害者だったでしょ?!

 七実さまの声に「ガーガー」音が入ってるのだいすき。そしてはじまる視力検査。

 

聞こえる。
小さな歯ぎしり。風に揺れるかずら橋みたい。

いいえ。これは海辺のブランコがきしむ音...

 

(ゾウが見てる。)

 

生徒会(回想)

そんなとこにいたらおかしいよ。バレバレだよ。

そしてとつじょいい子ぶるウテナ。いるよねこういうズルい子。そんな七実(&チュチュ)の想いは49kgくらい?

 

作戦その1 DUEL:6「七実様御用心!」

なにこの妄想。

作戦その2 DUEL:16「幸せのカウベル

七実おちついて!
そんなに興奮するとまた牛になるよ!

 今更いうって感じだけど、この牛化した七実、無駄に美化された感じじゃないのがいい。ちゃんと牛だよね。ちゃんと牛ってなんだって話だけど。

あと石蕗は牛になっちゃう。ゾウじゃなかった。

(チュチュのベル)ちんちーん。

と思ったらやっぱりゾウだった。

⇨あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

落下からの目覚めがリアル夢。こういう感じで起きるのあるよね。目覚めた場所にはちゃんと体重計があったり。

⇨や
⇨や
⇨や
⇨や

どうでもいいけど、茎子さんだけ白ソックスを三つ折りじゃなくて伸ばしてるのね。はじめて気づいた。

 

 

号外!

王さまの耳はロバの耳!

秘密にしているはずなのになぜかばれちゃうよね。石蕗の日記も、チュチュの正体もアンシーの本音も。今はいろんな考察サイトがネット上に溢れていますからね。

そして少女Cの皮をかぶったおさるは連行されていってしまいましたとさ。にしてもそれってなんて意味ありげな。。

ウッキー!!

 

 

 

 

 

もう、おしまーい。

なんだけど、わたしは過去に生きる人間なのでちょっと振り返らせてください。

 

 

⇨8. 疎外(alieation)

DUEL:14

暁生のフィアンセさん香苗との決闘。花瓶。

単に「アンシーが不気味だ」というだけならまだよかったのかもしれません。ほんとの問題は、彼女がアンシーと暁生との間に"何か"あるってことを察知していたってことなのでしょう。そしてその"何か"を自分は知る術もないってこと。

 

⇨9. 執着(attache)

DUEL:15

梢ちゃん×幹の剣。ミルクセーキ

なるほど〜これは愛の物語ではなく、執着のお話だったんですね。梢ちゃんから幹への執着と、幹から梢ちゃんへの執着。その応酬。それが"歪んだ愛"という形になってあらわれる。歪んだ愛とは、もはや愛ではないのかもしれないです。

 

⇨10. 嫉妬(jalousis)

DUEL:17

高槻枝織×樹璃との決闘。文鳥

樹璃への嫉妬や劣等感、ある種の独占欲。

 

⇨11. 焦燥(impatience)

DUEL:18

石蕗×七実との決闘。ハニワとチョコレート。

はやく大人になりたいという子供らしい焦り。「知りたいけど知りたくない」っていう七実の焦れったい思いも、また焦燥と呼べるのかなと思います。

 

⇨12. 限界(limite)

DUEL:20

若葉×西園寺との闘い。葉っぱの髪飾り。

この決闘の名前がなぜ"限界"なのかというのは、ちょっといろいろ考えてしまう。若葉の輝きの限界。西園寺との恋愛や、叶えられる自分の理想像の限界。または我慢の限界。あとはウテナが若葉にしてあげられることの限界。などなど。

 

⇨13. 依存(dependance)

DUEL:21

茎子さん×冬芽との決闘。相合傘。

冬芽という"王子さま"への依存。七実という"王女さま"への依存。また、自身の"家来"という立ち位置にも依存しているのかなと思いました。お姫さまになることへの諦めと、家来であり続けるお芝居。でもそれをアンシーのいうように、冬芽のためにやっているのだとしたら、彼女はすっごく強いし、同時に愚かだとも思う。わたしには彼女の気持ちがあまり上手に受け取れません。

 

⇨14. 自覚(conscience)

DUEL:23

御影草時(根室教授)。時子と馬宮の写真。

人々の心の闇を自覚させること。そして自分の心の闇を自覚すること。御影のお仕事はまさにそれ。感情なんてなく、計算機のように淡々と生きてきた彼だったのに、この悲劇的な結末。御影は自らが目覚めさせた多くの闇の犠牲となり、火葬されました。世界の柩から脱出することなく。昔の話にすがる大人には言い訳が似合う。

 

 

LA BANDE

ここがわたしとウテナさまの新しい部屋です。

第3部・暁生編のはじまりです。きゃー。わくわく。

 

 

*1:インドで七実を追い回してるのって、田中・山田・鈴木なの?

DUEL:23「デュエリストの条件」

 

まったく薔薇の花嫁なんてやってる友達持つと、気苦労がたえないよなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:23「デュエリストの条件」

放送日:1997年9月3日

脚本:榎戸洋司 絵コンテ:橋本カツヨ
演出:岡崎幸男 作画監督林明美

 

生徒会

今回の生徒会。というより生徒会エレベーター(?)、控えめにすきなんです。全体的に言っていることがとってもかっこいいのですが、引用しづらいので見てみてね。

じゃあわたくしたちってなによ。

デュエリストさ。

 

永遠の思い出は本当の永遠に(困っている友だち)。

ウテナに時子を重ねる御影です。

御影のいう永遠とは、いったいなんなのでしょうか。思い出のなかにしか存在しないものを求め続けることにもちろん苦しみはあるでしょうが、それはそれとして幸福なのでしょう。いつか手にはいると信じ続けていること、それだけに縋り生きていくこと。だから、そこにある"本当の永遠"とやらの正体を御影は知りません。それを知るのはただふたりだけ。もとい、ひとりだけかも。

君はどうしても薔薇の花嫁を辞めるわけにはいかないの?

彼女だけが、彼女の苦しみとその正体を知っているのかもしれません。

あなたから見たら、わたしはどんな風に見えていたのかしら。

この秘書さんの言葉は、なにかとても含みのある言葉ですね。御影にはいったい世界がどんな風に見えているのか。

 

最後の晩餐

かどうかはわかりませんけど。

とってもすきな演出なので書き出してみました。つまり、誰も彼を"神"とは見做さなかったわけだ。"犠牲"だと思っていたものたちは、姿を見せずに根室教授をあざ笑っていて、ほんとうの"犠牲"は彼なのでした。

でも、ウテナだけは御影を"世界の果て"だと思っていたかもしれません。たぶんそれは冬芽の時もそうだったかもしれないけれど。そしてそれもまた事実ですよね。ウテナにとって彼らが"世界の果て"であるのなら、彼女は本気で"世界"を革命するだけです。

 

⇨⇨⇨⇨⇨面会室(御影草時)

ウテナにボコられボロボロになる御影。

ほらみろよ。涙だ。

計算機のような男の心を動かす人間は、そう多くはないのでしょう。そういう人間は彼にとってこよなく愛する存在であり、同時に憎しみの対象でもある。"大人になりきれない"という彼の闇は、"世界の果て"によって黒薔薇となりました。そして御影はデュエリストの条件を満たしたのです。

 

 

号外!

何があってもわたしは、ウテナの味方だからね。

DUEL:12ウテナを奮起させた若葉。DUEL:20で若葉の闇を散らしたウテナ。この慈しみの連鎖をほんとうに見てほしい。でももうすべては消えてしまうね。根室記念館がなくなってしまうからさ。

くそ、俺は昔、学級委員だったのに。

だからなんやねん。

 

 

まぼろしのお城(決闘広場)

ワタシ空想生命体」。

柩をはこぶ男

人を柩に閉じ込めるのは誰なんだろう。神さまなのか、それとも"世界の果て"なのか。でもまあ、やっぱり自分なのかもしれないですね。自分の用意した柩に、じぶんで入って、もう二度と出てこない。誰にも会わない。

お願い、開けないで。

 

すべてはイリュージョン

でした。御影の見ていた馬宮、永遠、時子、そして自分のことすらもイリュージョンの影にかくれ、彼は何も見えなくなっていたし、でも反対によく見えていたともいえる。じぶんのみたいものだけを見て、信じ生きてきました。でもそれももう終わり。なぜなら黒薔薇編ももう終わるからです。御影が引き出した人々の心の闇も、うつくしい思い出も、ただのイリュージョンへと変わり、それを信じるものは"卒業"してしまいましたとさ。残酷なことに、きみはもう学級委員ではない。

 

デュエリストの条件

  • うつくしい思い出を持っていること
  • それを永遠のものにしたいと願っていること

 

LA BANDE

馬宮の正体は、姫宮アンシーでした。そしてこれは何も黒薔薇編や、アンシー=馬宮だけに限った話ではありません。お城、永遠、輝くもの、奇跡の力、虚無、ディオスの力などなど。これすべての正体は、もしかしたらわたしたちが見えているものとはちょっと違っているのかもしれません。この世界では誰もが存在し、だからこそ誰も存在しないといえるのです。

第2部、黒薔薇編のおしまいです。

 

これから先君のすすむ道は、用意してない。

 

 

DUEL:22「根室記念館」

 

 ウイーン、ガタン。ピーピー。ガーガー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:22「根室記念館」

放送日:1997年8月27日

脚本:榎戸洋司 絵コンテ:松本淳
演出:伊達勇登 作画監督:津幡佳明

黒薔薇も最後の一本となってしまったようです。

とつぜん画面に出現する指差しマーク(ポインタ)や砂時計、運ばれる柩などなど不思議な演出が印象的な22話。御影の過去や、根室記念館の謎、"世界の果て"とのかかわりについて触れられる回です。ドキドキ。

 

 

生徒会(踏切)

すまない。よく聞こえなかった。

自分たち以外に薔薇の刻印を持ち決闘を行うものたちの正体を突き止めるため、調べものをする生徒会メンバーたちです。でも電車のが通過する音でなにを喋っているのかよく聞こえなません。あるある。

 

じゃあ、影で動いているのは世界の果てそのものなんでしょうか。

 

 

根室記念館 

⇨電子計算機のような男

号外少女でも示されるとおり、彼は指示通りにおさるを捕まえる電子計算機のような男でした。彼っていうのは、黒薔薇会を主催する御影草時のことでもあり、とおい昔に"永遠"を手にいれるための研究をしていた、根室教授と呼ばれる人物のことでもあります。

根室教授はつまり、"世界の果て"(=暁生)が"永遠"を手にいれるための、ひとつのパーツというか、駒やロボットに過ぎなかったということですね。彼はもともとは"部外者"でしたが、千唾時子というひとには唯一心を開き、病気で余命いくばくもない彼女の弟、馬宮を助けるために永遠を手にいれようとします。

しかし研究員たちの噂を聞くに、彼らの出会いもまた"世界の果て"が用意した道のうちのひとつでした。

 

⇨大人にならない男

この回のラストに明かされるように、根室は時がとまったまま、過去の姿で鳳学園(根室記念館)を彷徨っています。これもすべて暁生と契約し、"柩"の中に入ってしまったからです。柩の中にいること、永遠を手にいれること、年をとらずロボットのように働きつづけること、これらは全然違うことのようで同じことなのですね。

 

⇨永遠を手にいれたい男

古代の生物が死んで、石油や石炭のような地下燃料が残った。そういう犠牲がなければ、今のエネルギー文明はなかった。そういう犠牲は常に要求される。

...馬宮くんのやったことは正しい。僕も永遠を手にしてみたくなった。

ここでいう古代の生物、つまり"犠牲"とは、この火事で焼け死んだ100人の少年たち(研究員)のことです。この少年たちの犠牲があってこそ、永遠を手にすることができる。具体的にいえば、彼らが死んでたくさんの"薔薇の刻印"が遺され、根室教授が年をとらず今もこの学園にいることで、DUEL:14〜DUEL:21までの黒薔薇のデュエリストたちが誕生し、永遠を手にするためにウテナと闘うことができたというわけです。

 

⇨黒薔薇を摘む男

ただ、暁生はべつにそれ(黒薔薇のデュエリストたちがもしかしたら決闘に勝利し、永遠を手にいれること)を目論んでいたわけではありません。むしろそれを狙っていたのは根室教授です。根室教授は、自分たちが作った"犠牲"によって永遠を手にすることができると考えましたが、"世界の果て"にとっては彼もまた"犠牲"に過ぎません。そしてウテナも同じです。すべてのことは、暁生が永遠を手にするための犠牲に過ぎないということです。

第2部でおなじみの水槽の中の黒薔薇を摘むカット。これは、今までは馬宮が摘んでいるように見せていましたが、実は暁生だったのですね。黒薔薇会のふたりが生徒たちを操り、決闘させていたかのように見せかけて、実はさらなる上がいたってことです。これは生徒会編の冬芽と同じ構図。

 

号外!

ロボットは、さみしくない。
とったおさる、いるから、ロボットはずーっと働きつづける。
おさる、いっぱいとれる。

今回は冒頭で、御影がチュチュを捕まえてウテナに返すという場面がありました。そのとおり、御影は永遠におさるを捕まえて、"世界の果て"に献上しつづけるロボットでしかありません。それでも彼はさみしくないと言います。電子計算機のような男だから。

でも、あなたを見てる方は、さみしくなるわ。

 

鳳学園という庭

学園という庭にいる限り、人は大人にならないのさ。

そうなのかもしれません。根室教授が御影として鳳学園に存在し続けるように、ウテナも、アンシーも、生徒会メンバーも、本当はずっと長い間この柩の中にいるのかも。それは"永遠"を手にいれるためのロボットとして。

実を結ぶために花は散るのよ。

これは、永遠を手にいれることを諦めた時子の言葉です。でもべつに、諦めたというわけでもないか。その方がいいって彼女は知ってるんですね。永遠なんて幻だと。でも暁生はそれを頑なに拒み続け、永遠を手にいれようとしつづけています。だからこそこの鳳学園という庭に存在しつづけるのです。

 

 

LA BANDE

暁生は、"永遠"を手にすることで、"世界を革命する力"が手にはいると考えているのでしょうか(もしくはその逆?)。時が経つ、実を結ぶ、大人になるということ。それを拒否しつづけることこそが"永遠"であるということの虚しさに気がつかないのですね。"永遠"という名前の美しさにとらわれて、そこにある本当のところを見ようとしていないのかもしれません。それは根室教授も同じことですが。

"永遠"に"子供"でいることは、輝きを失わないこと。暁生はそう考えていますね。"子供"の直向きさ、無邪気さを見下しながらも、それを一番欲しがっているのはいったい誰なのでしょうか。

 

さあ、わたしにはわかりません。

 

 

 

DUEL:21「悪い虫」

 

みょみょみょ〜ん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:21「悪い虫」

放送日:1997年8月20日

脚本:月村了衛 絵コンテ・演出:桜井弘明
作画監督:阿部邦博

 

今回のお話は、前回と同じく恋愛の話であり、友情の話です。若葉とウテナの間には確かに友情が存在しましたが、今回スポットが当たる彼女の場合はどうでしょうか。彼女とその「友達」の間に友情はあるといえるのかな。そして、ウテナとアンシーの間には何があるのだろう。

 

その他、大勢の、脇役。

今回黒薔薇会のターゲットになったのは、七実の取り巻きのひとりである苑田茎子です。前回の若葉が日常風景に溶け込む平凡な少女なら、彼女にはそんな背景すら与えられません。まあ、今回彼女にスポットが当たるのだって、ちょこっと名前に下線が引かれるくらいのものですもの。

 

 

お兄さまに集る虫は一匹たりとも許さない。

迂闊だったわ。
本当の悪い虫は、自分の足元にいた。

あなたのようなたちの悪い虫は、
徹底的に駆除してあげる。

茎子は、七実に仕えながらも本当のところは冬芽のことが好きだったのですね。雨に濡れる冬芽を傘に入れてあげたことによって、七実からひどい仕打ちを受けることとなってしまいました。そして、彼女の"同志"であった愛子・優子もそんな茎子を見放します。

七実にとって茎子は、冬芽に集る"悪い虫"。DUEL:10のように、いちおうは愛されている猫ですらありません。茎子はそんな扱いを受け、心の闇を露わにしてゆきます。

 

プラネタリウム(理事長室)

これからもウテナさんと仲良くやるんだよ。
双子座のカストルポルックスのように。

これは暁生からアンシーへの命令でしょうか。アンシーは素直に返事をするし、その表情もいつもの笑顔とまったく変わりなく、その心は読めません。

そして得意げに星の知識をアンシーに披露するウテナが無邪気でかなしい。

 

 

⇨⇨⇨⇨⇨面会室(苑田茎子)

茎。

 

憧れの女の子。

わたしは心の底から七実さまに憧れてました。

...でも、本当はちがってた。
少しでも冬芽さまに近づきたかったから、七実さまのそばにいただけ。

茎子の闇は、いつも冬芽の側にいられる七実への嫉妬心、それから酷い扱いを受けていたことに対する恨みでした。

 

あんな我侭な女。

でもでも、自分たちから"友達になろう"と話しかけておいて、七実が冬芽の妹だとわかったらくるっと態度変えて勝手にへりくだって嘘の褒め言葉並べて、七実の一番大切な冬芽にちょっかいかけた上"やさしさ"を求めるってのもどうなんだろう。わたしは茎子の気持ちがあんまりにもわからないんです。脇役であることへの嘆きっていうのは、前回の若葉ですごくよく表現されていたと思うから、尚更。

まあ何はともあれ、茎子は七実への憎しみによって黒薔薇の刻印を手にし、冬芽の剣を引き抜くことに成功します。

 

 

号外!

いつまで逃げていてもしょうがない!
それ!殺虫剤!

"悪い虫"に業を煮やしたトンボがふりまく殺虫剤。たとえ駆除に成功したとしても、彼だって同じ"虫"だから死んでしまう。*1

パタリ。

でもさそれって。。。

 

 

地下の教室(決闘広場)

成熟年齢透明期」。

人間じゃないわたし。

君は......

これが2回繰り返されるのどうしても笑ってしまう。ウテナは彼女の名前を思い出せないのかと思ったけれど、いやはや知らなかったんですね。

悪い虫、茎子の逆襲。かわいいパラソルと相合傘。

でも殺された悪い虫だってバカじゃない。カマキリはとあることに気がつきます。

 

人間じゃないあの子。

そうだ。本当の悪い虫は、七実だ。
なんだあの女、悪い虫だったんだ。

同類。です。そしてどちらも"悪い虫"がふきつけた殺虫剤によって駆除される運命なのです。でもその殺虫剤って。

 

怖いね。
憎しみの根は見えない地中で大きく広がってるんだな。

それ、誰のこと言ってるの?茎子?アンシー?それとも自分?殺虫剤で駆除されたのは、されてしまうのは、本当は誰なんだろう。

 

 

わたしたちもずっと友達だよ。

わからないなあ。

髪縛って前髪クルルンが茎子さん。
肩まで伸びて外側にクルルンが愛子さん。
内巻きでほっぺでクルルンが優子さんです。

 

そうじゃなくて。

好きな人のためならそれ以外の人への感情なんか問題じゃない。
自分なんていくらでもごまかせますから。

アンシーは言います。でもそれっていつか限界がくるはず。だって茎子がいい例です。悪い虫が自分をごまかし続けたその先に待っているのは、駆除されてしまう運命だけ。それなのに何を闘い、ごまかす必要があるのでしょう。

お部屋の臭い消しですよ、それ。

 

LA BANDE

みょん。

今回の影絵少女はわたしの好きなやつでした。これから七実のことを考える際にとっても重要な回です。そして黒薔薇編もそろそろ佳境に。次回はあの館の謎にせまります。

そしてなぜかローラースケートでパーティの準備をする茎子でした。

 

 

*1:そういえば七実って、DUEL:06で駆除されかけてますね。