DUEL:03「舞踏会の夜に」<少女革命ウテナ>
いったいこれは何の騒ぎかしら。
DUEL:03「舞踏会の夜に」
放送日:1997年4月16日
脚本:榎戸洋司 絵コンテ:竹之内和久
演出:渡部高志 作画監督:宮田奈保美
七実さま、初登場の回です。
とはいっても決闘はおやすみ、彼女の本領もまだまだ発揮されません。
"七実さま回"というよりは、「これは"王子さま"が"お姫さま"を救う百合アニメなんですよ」っていうフェイクとしての回といってもよいかもしれません。
☞ 今週のウテナさま
その1.
しつこいくらいアンシーに友だちの有無を確認し続けるぼっちの敵ウテナさま!
- 「君、クラスでもいつもひとりだけど、本当に友だちとかいないの?」
- 「君は本当に友だちいないの?」
- 「君には友達が必要だ」
- 「もっとたくさん作るべきだ」
アンシーが「友だち少なくてさみしいんです」と言うのであればまだしも、「チュチュがいますから」と言ってるのにお節介を焼き続ける上から目線のウテナさま!
その2.
いろいろな人間を敵にまわしたウテナさま!
こうみえても僕は健全な女子なの。
健全な男子にしか興味ないの。
これはおそらく、『少女革命ウテナ』史上もっとも重大なる失言。ありとあらゆる人間を敵にまわしたウテナさま!
その3.
アンシーの話をまったく聞いてないウテナさま!
あんたはなんでそれを持ってるんだ?
薔薇の刻印を持ってた生徒会長・冬芽に対する驚きのひとこと。アンシーは前回「生徒会メンバーは全員持ってる」って言ってたのに忘れちゃったウテナさま!
。。。ちょっとふざけましたけど、初めてこのアニメをみた1周目はとにかくこういうウテナの傲慢といったらまあ言い過ぎかもですが、鈍感で無自覚にナイフを振り回すところが本当にハラハラして見ていられなくて辛かった。
特にその1に関しては、アンシーは「人が大勢集まるところは苦手」「こわい」って伝えてるのに...。たまにアンシーはちゃんとこうやって意思表示するんですよね(チュチュが防腐剤たべてゲロってるからマジだとおもう)。誰にも相手にされないだけで。
ただ、ウテナのこういう無神経さも、彼女が革命するもののひとつでもあります。だから、ウテナがいかにも"主人公"といった感じのうざったい性格であるというのにも、意味はあるとわたしは考えています。純粋な明るさだけではアンシーは救えないし、アンシーの友だちになんてなれるはずがないんです。じぶんの殻を破壊せよ。世界を革命するために。
☞ 生徒会
今回の生徒会は特におさえておくべき点はないように思います。
- ウテナは「世界の果て」からの手紙を受け取っていない。
くらいかな〜。まあそりゃそうですよね。
ただ、決闘に負けた西園寺の近況を知らされた樹璃せんぱいが、
そんなことはどうでもいい。
とかいっててめちゃくちゃ冷たい。笑う。
☞ 桐生冬芽という人間
第3話では、冬芽のプレイボーイぶりがクローズアップされてます。冬芽は生徒会長なので、第一部「生徒会編」におけるボスキャラであることは言わずもがなですし、全体を通してウテナにとっての大きな"壁"であることに間違いはないでしょう。
ただ彼のこの"プレイボーイぶり"から見られる軽薄さっていうのも、全体を通してそうなんですよね。ある意味この軽薄さが彼にとっては悲劇的ですらある。結局このひと、なにひとつ手に入れられないわけですから。
軽薄そうに見えて実は大きな壁、というよりは、軽薄な大きな壁なんです。そして、この軽薄な大きな壁を破るということは、すなわち世界を革命することでもあるというわけです。
☞ 桐生七実という人間
実。
お待ちかねの七実さま初登場!ですが、この回をみてわかる七実さまのことっていったら、
- (たぶん)典型的悪役
- お兄さま(冬芽)だいすき
- ウテナとアンシーに嫉妬
くらいです。
ただわたしは七実さまのことを、裏ウテナ(もしくは裏アンシー)だというぐらい重要な人物だと捉えています。ということだけ書いておきます。七実さまについてはこんなところでは書ききれません。お兄さまと違って分厚い人間なんです七実さまって。もうみんな気づいているとおもうけど、わたし七実さま大好きなんです。七実さま〜
☞ 影絵少女
舞踏会といえば聞こえはいいザマスが、早い話がボーイハントザマス。
破廉恥ザマス。
わんこがかわいい。
☞ 週末のダンスパーティ。
ウテナのドレスを褒め称えて、ウテナにぐいぐい迫る冬芽です。キモ(本音)。しかもちょっと満更でもなさそうなウテナさま。破廉恥ザマス。
あと、水分にとけるドレス、すごいな〜紙でできてるとか?七実さまはすごい。ちなみに七実さまは、この回ではじめてウテナの存在を知ることとなります。運命的な出会い。
ウテナは冬芽にプレゼントされたドレスを脱ぎ捨て、ドレスを溶かされちゃったアンシーを助けにいくんですが、百合好きにはたまらない展開です。王子さま姿のウテナとアンシーがくるくる踊ってるし。
(ちょっと冷めてるのは、わたしが特にかっこいい王子さまなウテナを求めてないからです。)
あとこの回ラストで、チュチュがレコードと一緒にぐるぐる回ってしまってるんですけど、アンシーもくるくる"回らされてる"のかとおもうとちょっと深読みできそう。というかこの『少女革命ウテナ』というアニメ自体が"舞台"のようなもので、アンシーもウテナも冬芽も(もちろん七実もみんな)その上をくるくる"回らされてる"に過ぎない、という受け取り方もできるわけです。フー!盛り上がる〜
☞ LA BANDE
じつはずっと気になってて調べてなかったことがあったのですが、それは茎子さん(アンシーを詰ってた髪しばって前髪くるるんの子です)は最初から"茎"子さんだったのか?ということ。結論、最初から"茎"子さんだったようです。
すっきりしたところでおしまい。次回も、
がんばっておもてなしをします!