読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

永遠の卵

少女革命ウテナのはなしがしたい。

DUEL:12「たぶん友情のために」<少女革命ウテナ>

ふつうにならなきゃ。ふつうに。

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:12「たぶん友情のために」

放送日:1997年6月18日

脚本:上村一宏 絵コンテ:垂永志
演出:高橋亨 作画監督:長濱博史・長谷川眞也

前回に引き続き脚本は謎の上村一宏さん。絵コンテの垂永志さんは曽我部孝さん?。謎です。

ラスボス冬芽回後編。

 

親友:篠原若葉について

ウテナの大親友・篠原若葉ちゃんについて触れるのは、もしかするとこれが初めてのことかもしれません。彼女については非常に重要な回が後々に控えているのですけれど、今回はそれとはまったく違った意味で大活躍してくれます。なので彼女について少しだけ。

第12話での若葉の役割というのは、ほとんどわたしたち視聴者の代弁、みたいなことですよね。ウテナがんばれ!冬芽に負けるなアンシー取り返せ!的な。冬芽に負けたこと、アンシーとの友情がより不確かになってしまったことにショックを受けたウテナは、わかりやすく落ち込んで、男装をやめセーラー服で登校します。そしてウテナはそんな自分に対し、「これがふつうだ」などと言い聞かせるのですね。

それじゃ困る、物語が終わってしまう、もとの"かっこいい"ウテナさまに戻って!ということで立ち上がるのが親友・若葉というわけです。彼女はあの手この手でしつこく事情を聞き出そうとしますが、ウテナはだんまり。冬芽に迫られても無表情を決め込む。

私のウテナさまに触んないでよ!
あんたも嫌なら嫌っていいなさいよ!

前回、ウテナは薔薇の花嫁扱いされるアンシーに対し「君の考えをはっきり言ってやれ!」などと促しましたね。それとほとんど同じ構図になっています。ウテナがそのことに気づいているのかはわかりませんが。

 もう、僕のことに口を出さないでくれ。

若葉をことこどく拒絶しまくるウテナですが、

やだ。絶対やめない!

と断言する若葉。

見る人によって捉え方は様々だと思うのですが、これってどう思いますか?自分にはよくわからないことで落ち込む親友に拒絶され、それでもなお構い続け、発破をかける。これって独りよがりなんじゃないか?とか、今はそっとしておいた方がいいんじゃないか、とかわたしなら思ってしまう。それで、この"独りよがりなんじゃないか"ってのはあながち間違ってはいないと思うのですよね。若葉は、「"わたしの"かっこいいウテナさまに戻ってほしい」という自分本位な考えをたぶん、持っているとおもうし。そしてそれは前回のウテナ、5話での幹にも重なるところがある。アンシーのために、と言いつつも、結局はそれ、自分のためなんじゃない?って。だから、冬芽は言うわけですよね。

本当に友だちがいると思ってる奴は、バカですよ。

友情だなんだと言っておきながら、結局のところ全部「自分のため」じゃないか。人間なんてそんなものじゃないか、というような。それでも若葉はさらに続けます。

取られたら取り返しなさいよ!
取り返してよ!

「取り返してよ!」なんてさ、この上なく自己中心的だし、エゴイスティックな物言いですよね。しかし、ウテナの心はこれで復活します。いつも通りの、上から目線で鈍感で矛盾しているけど大事なあの心を、彼女の"ふつう"を取り戻すことをウテナは決意します。

 

生徒会

俺は王子として、ここにいるひとりぼっちの姫君を救ってやった。

ということらしいです。若葉とのすったもんだの際、冬芽はアンシーをかばうでもなくふわっとコップの水を避けているのをお見逃しなく。

そして樹璃せんぱいがかっこいい回。

物語のラストシーンは、王子と姫君で決めないと。

などとふざけたことを抜かす冬芽に、

まだラストシーンってわけじゃない。

。タイムキーパー幹が同意するのだから、そうなのでしょう。

 

アンシーのきもち(withチュチュ)

前回はけっこう冷たい素振りを見せましたが、アンシーはわかりやすく寂しがってますよね。これは素直に受け取っていいと思いました。チュチュも一枚のビスケットをずっと食べ続けてるし...。そしてラストにウテナが戻ってくると、ふろしきいっぱいのビスケット。だし。

 

影絵少女

グッバイ、影絵少女たち。

普通に勉強して 普通に就職して
普通に恋愛して 普通に結婚して
普通の家庭を作るなんて あたしたちに関係ない普通よね。

そろそろ私たちの普通に戻るとしますか。

 

さかさまのお城(決闘広場)

これを使え。
ラストシーンを飾るのに必要だろ。

かっこいい樹璃せんぱいからはじめてみました。

BGMは「何人も語ることなし」。

その身を捨てて剣を守れ

露骨というかなんというか。アンシーがディオスの剣に口づけする瞬間ウテナが目をそらすのがなんとも。冬芽も「どうだい?美しいだろう?」とか言って、いつまで酔ってるんだよ目を覚ませ。まあ彼は最後までこのまんま酔っ払い続けるわけですけど。

 

これ、見たことがある。

闘うウテナを見て涙をこぼすアンシーが印象的です。

知ってる。あの時と同じ。

とのことです。あの時とはいつのことなのでしょう。見たことがあるとは、なにを?

 

「たぶん」、友情のために。 

姫宮、もういいから。

ウテナは"ウテナのふつう"を取り戻しました。そしてウテナは、37920回めの予定調和を遮ります。それがアンシーのためになったのかどうかはわかりませんし、アンシーの心を開いたとも言えないでしょう。でもウテナは間違いなく、冷ややかな顔つきで友情をあざ笑うあの偽の王子さまに勝利したのです。それはたぶん、友情のために。

 

LA BANDE 

はじめてウテナがかっこよく見えた回です。

僕のふつう、返してもらうよ。