永遠の卵

ウテナメモ

DUEL:19「今は亡き王国の歌」<少女革命ウテナ>

 

おかえり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:19「今は亡き王国の歌」

放送日:1997年8月6日

脚本・絵コンテ:風山十五
演出:高橋亨 作画監督相澤昌弘

 

 若葉前後編の前編。今は亡き王国・たまねぎ王国のお姫さまのお話。どんなに幸せでロマンチックで少女漫画ちっくでも、今はもう亡き王国。

 

たまねぎ王子とお姫さま×4

本エピソードでは、若葉は強がってるけどほんとは達也が好き。達也も実は若葉を...っていう王道少女漫画的ノリをこれでもかと繰り返し、観客を騙しにかかります。さすがにこのアニメを19話まで見たわたしたちですから、本当にこのふたりがラブラブくっついて終わるだなんて思ったりしないでしょうし、ウテナと若葉の百合エピソードだ!なんて期待したりもしないでしょう。*1

生徒会

思い続ける人というのを簡単に変えることができたら、君たちももっと楽になれるのにね。

私もか。

樹璃せんぱい、いい感じにミスリードしてくれますが、これはこれで本質を示しているような気もします。若葉がヘテロセクシャルなら、ぜったいに彼を愛するより、達也を"王子さま"とした方がいいのですから。ぜったいにそっちの方が"楽"ですよ。

プラネタリウム(理事長室)

人が心の中に持っている王子さまというのは、きっと他の人にはわからないものですよ。

樹璃せんぱいがせっかくいい感じの発言してくれたのに、完全にネタバレするこの男。でもウテナはちょっとポワワワ〜ンだからあんまり理解してなかったみたいです。よかったあ。

濁すお茶

お茶を濁すウテナが楽しいお茶シーン。

暁生の言ってることをそのまんま繰り返したり、「告白する価値はあると思うけど?」なんて"アドバイス"してみたり、今回のウテナは主人公にあるまじき滑稽さ。わたしはウテナのこういうところは好きなのですけどね。若葉のためにっていう99パーセントの善意と、暁生に対する1パーセント(今後はもっとぶくぶく膨れ上がりますが)の憧れ。

 

号外!

こんなすべてがあべこべな会話ははじめてみた。

  • タイヤを大安売りするタイ屋さん。
  • 魚屋さんは魚を売る(骨)。
  • パーン(拳銃)屋さんは、パン(食べ物)を売る。
  • タイヤは食べられる(衝撃の事実)
  • タイヤは食べられない(衝撃の事実)

なにか意味があるのでは、と誤解させる思わせぶりな会話。でも実は中身なんてなんにもなく、受け取ったものは自分の予想したそれとはまったく違うもの。そう、タイヤは食べられないんですよ。どんなに高いお金を出して買ってもね。*2

 

ウテナの意地悪!!

 

⇨⇨⇨⇨⇨面会室(風見達也)

君は本当にいい人だね。
だから、君の進むべき道はここにはない。
帰りたまえ。ここは君のような人間の来るところではない。

達也がこの場で話すことは、たぶん本当の恋愛の話。彼は若葉が好きで、でも若葉は彼を好きじゃない。なんの屈折も、悪意も憎しみもない。そういう一時のセンチメンタルな"恋バナ"では、薔薇を黒く染めることはできません。彼が若葉の胸の剣を抜き取ることもできません。達也は食べられるタイヤを欲しがりましたが、そんなものはこの世にはありません。*3

 

わたしの王子さま

さて、西園寺は食べられるタイヤなのでしょうか。まあ、彼が骨だけの魚だなんてことは、きっと若葉自身気づいていることなのかもしれませんが。ただ、西園寺は知らないかも。パンだと思った拳銃の悲劇について。です。

 

LA BANDE

わからないなあ。わからないなあ。わからないことがいっぱいだ。

でもこれだけはわかってる。

若葉は僕の大事な友達なんだ。

 

*1:...

*2:これも意味ありげで、なんにも意味のない文章です。気づいてた?

*3:いや、あるかもしんないけど...