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永遠の卵

少女革命ウテナのはなしがしたい。

DUEL:27「七実の卵」<少女革命ウテナ>

 

卵はふつう食べるものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUEL:27「七実の卵」

放送日:1997年10月1日

脚本:比賀昇 絵コンテ:錦織博
演出:伊達勇登 作画監督:田中孝弘・中山由美

 

伝説の七実さまギャグエピソード。七実が卵を産むお話です。文字通り、七実が卵を産むお話。完全なるギャグとして七実のクレイジーさを楽しむことのできるお話でもありますが、彼女のキャラクターに関して深く考えるという意味でも楽しい回です。

 

砂場でみつけたわたしの〇〇。

今回は、七実の幼い頃の回想(夢)からはじまります。七実は砂場で"卵"を見つけるのですが、これがたいへん思わせぶりな場面。だって砂場からなんか変なもん出てきたらまず近しい人に見せに行ったりしませんか。特に七実なんて、だいすきなお兄さまに真っ先に報告しそうなのに。しかしそんな彼女は、その「変なもん」をとっさに隠します。この砂場から出てきたものは、ほんとうにただの卵なのか。卵とはいったいなんなのか。。

 

彼女の卵。

今日の3時間めの体育は、女子だけ保健体育に切り替わったそうです。

そういった疑問は、石蕗のこの言葉で思いの外簡単に解明されてしまいます。卵というのはそのまんま(?)、生理(月経ね)、出産などのことと受け取っていいみたいです。 

第2部の黒薔薇編からわりと強調されてきたのですが、とりわけ七実という人物には"性"の話がつきものだなと思います。それは単純に下ネタ、っていうことでもあるし、真面目に"性"の話でもあるのですけど。ウテナ全体のテーマとして"子供から大人へ"っていうのはほぼ一番か二番に挙げられるものだと思うのですが、3部の暁生編からはそれが更に色濃くなっていきます。そしてこの先のDUEL:31.32に向けても、この七実が"卵"をどう位置付けているかってのが重要なんだよね。まあ特に大した意味もないでしょ、って言われちゃったらそこまでなんですけど。。

 

七実さまってば宇宙人。

 てるてる坊主の七実さま〜

このへんの笑いどころについてはもう言及するまでもないと思うのですが、やっぱりコサックダンス石蕗がいちばんおもしろいかな。お気に入りはクルクルミッキーだけど。。。ちなみに、幹に相談するまで七実は「卵を産んじゃうこと=おかしいこと」だと認識しているのですが、どうやら卵を産んじゃう女の子もいる(ちがう)と知ると、逆に知らなかったことを恥だと考えるようになるわけですね。

これはなんていうか生理あるあるで、同級生の女の子たちよりも生理がはやく来ちゃうのも恥ずかしいし、遅すぎるのも不安だし恥ずかしい。生理に限らずこういう話って誰彼かまわずできるものでもないですからね。

 

タマに傷がつくところだ。

で...でかい。

樹璃がいうとそれはまたちょっと違った性の話になってしまうのですが。。まあこれも無関係じゃないです。

悩むことなんてなかったんだわ。
卵なんて誰でも産んでるんだから。

こうやって安心させてくれる人が身近にいたらすこしは違うのかもしれない。でも七実の場合そうともいえないから卵を隠すんだと思うのです。

 

七実の様子がおかしい。

じゃあわたくしが時速300キロで走れっていったら走るのね?
わたくしがマッハ5で飛べっていったら飛ぶのね?
わたくしが海底一万メートルに潜れっていったら潜るのね?

 これ七実さま理不尽だな〜って見るところかもしれないけど、わたし的には超共感できるイライラ。おまえは何もわかってねえのにわかった面してんじゃねえよっていうね。

  • ひょっとしてマタニティーブルーだったりして。
  • まるで卵を産んだときみたいですね。
  • ペットの七実(ニワトリ)
  • ニワトリといっしょにされたら七実だって迷惑だよ。
  • でも、父親は誰なんでしょう。

 意味不明すぎるので箇条書きにしてまとめました。七実の様子というより、このひとたちの会話がおかしい。ふたりのいわゆるズレってやつが反対方向に向かって凸凹なので結果うまく合致しちゃってるみたいな。そもそもそのマタニティーブルーっていう発想がどこから出てくるのかぜんぜんわからん。おかしなアンシーに突っ込むウテナに見せかけて、おまえもそこそこよくわからんよ。

 

彼女の罪。

七実、なぜこうやって日々を楽しく過ごせるかわかるか?
...それはお前が卵を産むような女の子じゃないからだ。
かわいそうなのは、その女の子に裏切られた家族の方だ。

これが冒頭とつながってくるというわけ。体が子供から大人に向かっていくこと、性的なことに興味関心を持つこと、または誰かを性的な対象として見ることに、なぜか罪悪感を感じる、感じなきゃいけない世界のムードってあるとおもうんですが、七実は無自覚でもそのことに敏感なタイプなのだとおもう。そしていちばん身近な、崇拝する存在にこんなことを言われちゃね。そりゃ卵だろうとタマだろうと隠すほかないでしょう。そしてそれゆえに性的なことに関する忌避感みたいのはどんどん高まってゆく。

 

影絵少女

卵じゃなかったようです。

未知に対する興味と恐怖。知ってしまえばなんてことはないものかもしれないけど、でもその恐怖だってほんものだしね。あんまり放置していると一人でに暴走しはじめちゃうのかも。

 

ふたりのベッドルーム。

ウテナさまは生まれ変わりを信じますか。

親から子へと永遠に受け継がれていく心の橋渡し。それは生まれ変わりでもあり、もしくはもうひとりの自分でもある。ゾウは寿命がくると群れを離れて人知れず死んでゆくそうです。

どうしてそんな話をするの?

 

得体のしれないわたしの〇〇。

七実にとって卵とは未知への恐怖でもありながら、大切にすべきじぶんの分身のようなものでもあります。それは時に暴走したり、巨大になりすぎたり。。卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでゆく。七実が殻をやぶったその先にあるものとは。

 

おかえり。

そういや最近見かけないな。

初代チュチュから受け継がれてきた永遠の橋渡し。さよならチュチュ。こんにちはチュチュ。

 

 

LA BANDE

焦げてる。

親という存在が希薄な鳳学園という世界において、この回はちょっと特殊でおもしろいお話でした。次回は樹璃回。憂鬱。